あらすじ

人の嘘が『色』で見える司書が出会ったのは、一切の嘘がつけず、声に『色』を持たないミステリー作家だった。 嘘の色が氾濫する世界に絶望し、静寂な図書館に心を閉ざす司書・水森詩織。 ある日、彼女の前に現れたのは、その声に一切の不純物を含まない「無色透明」な男、人気作家の海道蓮。 彼はなぜ嘘をつけないのか。彼の声だけが、なぜ色を持たないのか。 呪われた能力を持つ女と、呪いによって嘘を奪われた男。 二つの孤独な魂が惹かれ合う時、過去の裏切りが「泥色の声」となって彼らに襲いかかる。 嘘と真実が交錯する世界で、たった一つの純粋な音色を信じる、切なくも美しい、至高のラブストーリー。 【登場人物紹介】 ◆水森 詩織(みずもり しおり) 主人公。27歳。市立図書館の司書。人の嘘を「声の色」として認識する特殊能力を持つ。その色彩は時に腐臭を放ち、時に鼓膜を引っ掻く不協和音を伴う。幼い頃からこの呪いのような能力のせいで深く傷つき、人間そのものへの信頼を失った。静寂と秩序が保たれた図書館を、唯一の避難所としている。 ◆海道 蓮(かいどう れん) 人気ミステリー作家。29歳。デビュー作からベストセラーを連発し、その作品は人間の心理をナイフで抉るようなリアリズムで知られる。ある過去のトラウマにより、一切の嘘がつけなくなった。彼の言葉は常に真実のみを奏でるが、その音色はあまりに純粋で感情の機微を欠いて聞こえるため、しばしば誤解を招く。 ◆影山 彰(かげやま あきら) 蓮の元友人で、現在は大手出版社の敏腕編集者。蓮の過去の秘密を握る。言葉を巧みに操り、人を意のままに動かすことに愉悦を感じる。詩織には、彼の声が腐臭を放つタールのような、粘つく暗褐色に聞こえる。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
カクヨム
カクヨム2025/09/30
  • 現在の作品嘘が色で見える地味司書の私が、唯一嘘をつけない無色透明な声を持つ人気ミステリー作家様と出会って、呪われた人生が彩られ始めました