あらすじ
母は、変わった人だった。
「ちょっと琵琶湖を一日で一周しようと思う」
自転車で二百キロを走破し、授業参観では先生をタジタジにさせ、ママさんバレーでは雑誌に載る。
常識はずれの挑戦ばかりを繰り返す母・千尋。
娘のほのかは恥ずかしくてたまらなかった。
――けれど、その母は突然の事故で亡くなってしまう。
母の残した「やりたいことリスト」を手に、ほのかは母の代わりに夢を追い始める。
滋賀県屈指の進学校・膳所高校への受験、そして新しい高校生活。
少しずつ母のいない日々に慣れてきたある日、リビングで出会ったのは――見知らぬ少女。
栗色の髪に宝石の瞳、異国めいた顔立ち。
その少女は笑顔で言った。
「おかえり」
これは、変わり者の母と、その娘の物語。
やがて異世界で「天下をとる」までの、家族と成長のファンタジー。