あらすじ
「あ、どうも。今日からお世話になります、新人の柊です」
三十歳前後、物腰柔らかで、どこか掴みどころのない青年・柊 護(ひいらぎ まもる)。
彼の趣味は、ハーブティーのブレンドと、様々な職場で働く「社会見学」。今日も彼は時給980円のアルバイトとして、額に汗して働く、ごく普通のフリーター…のはずだった。
しかし、彼の周囲には、なぜか不自然なほどに超ハイスペックな仲間たちがいた。
指示を出す前に完璧な調査を終えている、秘書のように理知的な美女・白百合 冴子。
屈強な肉体でどんなトラブルも物理的に解決する、運転手兼ボディーガードの樫 武臣。
天真爛漫な言動でどんな場所にも潜り込む、食いしん坊ジャーナリストの鬼灯 朱里。
そして、都会の闇に紛れ、神出鬼没に情報を届ける、クールなバイク便ライダーの烏瓜 一夜。
彼らは口を揃えて、護を「会長」と呼ぶ。
そう、柊 護の正体――それは、日本の経済界はもちろん、世界の裏側すら掌で動かすと言われる超巨大複合企業「コスモ・ジェネシス」の、若き創業者会長その人だったのだ。
「しっ!会長って言うな!僕は今、時給980円の柊さんだ!」
「申し訳ございません、柊“会長”。ですが善は急げと申しますので」
パワハラ、食品偽装、データ改ざん、そして人知を超えた謎の事件…。
護が気まぐれで選んだバイト先は、なぜか毎回きな臭いトラブルの渦中。平穏な社会見学を楽しみたいだけの護の思惑とは裏腹に、完璧すぎる仲間たちは、隠す気があるのかないのか、次々と彼の正体がバレかねない“うっかり”を連発する!
内心でツッコミが鳴り止まない護だが、ひとたび市井の人々が涙を流す理不尽を目の当たりにした時、彼はついにその隠された牙を剥く。
「この御方をどなたと心得る!」
その決め台詞と共に提示されるのは、国家予算すら動かすと噂される漆黒のカード。あるいは、異世界の理すら支配したという「魔王」の紋章か。
これは、最強の正体を隠して平凡なバイトライフを送りたい青年会長と、彼を敬愛しすぎるが故にトラブルを巻き起こす最強の仲間たちが繰り広げる、痛快無比の現代世直しエンターテインメント!
果たして、柊 護の正体が世間にバレるのが先か、世の中の悪がすべて正されるのが先か!?