あらすじ
世界は雪と氷に閉ざされ、氷の魔物≪凍魔≫が跳梁跋扈していた。人類は生存可能なわずかな土地に都市を構え、数隻の雪上を走る巨大な都市船――氷走船を中心に凍魔の侵攻を防いでいた。
先駆的な機動砕氷車の運転手として氷走船に乗った車輛兵・カケルは、生き別れたはずの妹を名乗る謎の美少女哨戒兵・ホムラの指揮で、いくつかの作戦に従事する。その中でカケルは戦闘用の運転技術を開花させ、同乗する仲間達の活躍もあり、機動砕氷車は戦果を挙げていく。だが、眼前で妹を凍魔に凍らされたカケルは、ホムラが凍結から復活した妹とは思えず、受け入れられない。
次第に重要な作戦や陰謀劇に巻き込まれていくカケル達は、やがて人類史上初の都市奪還作戦に参加する事になった。
そんな中、新型武器を破棄するかの判断の場に遭遇したカケル達。ホムラは将来の戦局を左右する新型武器を破棄させまいと、未来から来たカケルの娘だと自身の正体を明かした。
カケル達が衝撃から立ち直る間もなく、作戦は大部隊での都市攻勢に移る。特命で単独行動を取ったホムラは、秘密裏に、都市に潜む凍魔の中枢の一つ≪王女≫に挑むが、窮地に陥ってしまう。
一方、妹だと信じられないホムラを助けるか迷うカケル。だが、同乗する狙撃兵・アルシーの叱咤で、これまでの指揮官としてのホムラを信じ、助ける事を決めた。
カケル達は間一髪でホムラを救出するが、人類軍は、凍魔の王女とその配下の攻勢で窮地に陥る。
そんな戦場を、機動砕氷車が単騎で駆ける。ホムラの立てた起死回生の策に賭け、多くの援護を受けて戦場深くへ突き進むカケル達。同乗する仲間を信じ、そしてホムラを信じ、カケルは目的地へ行くという自分の役目に全身全霊を注ぐ。
その信頼が結実し、アルシーの針の穴を通す狙撃が凍魔の王女を仕留め、人類は都市奪還に成功した。
――こうしてホムラは、長い戦いの天秤を、ほんのわずかに人類側へ傾けた。