あらすじ
高校二年の秋。口下手で不器用な小説家志望、上水ミコトの唯一の逃げ場は、「言葉」だった。
彼の視線は、クラスの完璧な優等生、神藤咲に注がれている。誰もが称賛するその仮面の下で、彼女が「誰にも承認されない自分」という孤独な青に囚われていることを、ミコトは知っていた。
文化祭の準備で、二人は図らずも近付く。「言葉にできない俺」は、小説『彼の青』に彼女の魂の真実を刻みつけることで、彼女の孤独を救おうとする。
しかし、その「命懸けの言葉」は、ある夜の油断から、最も知られてはならない相手の目に触れることになる。
これは、小説を通じて「生」を問う、二人の秘密の対話の始まりである。