あらすじ
「今日から正式に、この舞台オーディションに参加してもらうわ」
ディレクターの冷たい声が稽古場に響いた。
私は深呼吸をして、自分の名前が呼ばれるのを待った。
芸能養成所に入ってから一年。ようやく巡ってきた大舞台。心臓が喉から飛び出しそうだ。
「次、桜庭ゆい」
はい、と声を張り上げて前へ出る。
足が震えているのを悟られないように、必死に笑顔を作った。
──だけど。
「そして、特別参加枠。天城蓮」
その名前が呼ばれた瞬間、空気が揺れた。
稽古場の女子たちがざわめき、男子たちでさえ息を呑む。
だって。
それ、私の推しじゃん!!??