あらすじ
あの桜子が、振られた。
初めて、振られた。
桜子という、自分よりも可愛い親友を持つ未久。
よく似ていると言われるものの、桜子の方が目が大きくて顔が小さくて、手足が長くて髪がさらさらで……。
彼女のことは大好きだけど、ずっと劣等感に押しつぶされそうだった。
出会う男はみんな自分よりも桜子のことを好きになる。
でもただ一人、夫の陽人は初めから未久のことだけを愛してくれた。
社会人になり、桜子とは少し疎遠になり、結婚して幸せに暮らしていたある日、風の噂で桜子が振られたと聞いた。
噂によると、桜子にあの頃の面影はなく、金銭面でも精神面でも狂い始め、人生のどん底にいるようだった。
未久は桜子に会いに行くことを決心する。
かつて大きな劣等感を抱いていた相手に対して、未久に芽生えた感情は、これ以上にない“優越感”だった。