あらすじ

十六歳になると記憶が雲として空に現れる街に住む雲見ミツキは、他の誰とも違う「虹色の雲」を持っていた。ある日転校してきた銀髪の少女・空音ソラネと出会った瞬間、彼の雲は激しく点滅し、不思議なコードが現れる。  ソラネの雲は完全に透明で、やがて彼女がこの街の「彩雲現象――Rainbow Memory Protocol(RMP)」を管理する者の娘であることを知る。街全体の記憶と感情は人工的なシステムにより雲として可視化されており、現在そのシステムは暴走の末に崩壊寸前にあった。ミツキの虹色の雲は偶然「管理者権限」を宿し、唯一修復が可能な存在だった。  二人は記憶の世界に潜り込み、システムの中枢にアクセスする。そこでは感情データが溢れ、制御不能となり「初期化」か「犠牲」を選ばねばならない状況が判明する。だがその過程で、二人の間に芽生えた愛の感情がシステムに干渉し、データ圧縮を最適化する「愛のプロトコル」が起動。ミツキは虹色の雲を介して街全体にアップデートを配信し、人々の記憶雲は愛の色に満ちて危機は回避される。愛によってソラネの雲も透明から虹色へと変化し、二人は互いの記憶を共有する存在となった。  やがて高校を卒業した二人は街の新たな管理者となり、愛に加えて「希望のプロトコル」を加え、人々の未来を見守る。十年後、結婚し子をもうけたミツキとソラネは、庭から街中に浮かぶ雲を眺める。そこには愛、希望、喜び、感謝とともに新しい命を祝福する純白の雲があり、街は調和に包まれていた。互いに笑みを交わしながら、二人は確信する。愛はプロトコルやシステムを超えてなお続いていくのだと。

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エブリスタ
エブリスタ2025/09/29
  • 現在の作品彩雲のプロトコル