あらすじ
「貴方は替えのきく人間なんです」
近未来、国は「人類に必要な人間」の基準を定め、それに満たない人間を静かに排除していた。
男は、ある日突然捕らえられ、病院のベッドに拘束される。
彼に点滴されるのは、人類に偉大な成果を残した
「価値ある男性の液状化された脳」
記憶が上書きされ、やがて自分の意識が消滅すると知った男。
だが、最後まで消えなかったのは、妻と娘への愛という、誰にも奪えない感情だった。
脳の移植が完了する直前、彼は最後の抵抗を決意する。愛する者の顔すら思い出せなくなる絶望の中で、男が辿り着いた命懸けの脱出劇と、自分の命を奪うことになった「価値ある男性」の想像を絶する正体とは――。
人生の価値は、誰に決められるのか。
最後に明かされる真実が、世界の不条理を突きつける、戦慄のディストピアサスペンス。