あらすじ
姉キャサリンはこの国の王太子の婚約者で、社交界の薔薇と呼ばれている憧れの的。弟ハロルドは幼少期神童と呼ばれ現在も文武両道に秀で才気に溢れた次期侯爵として注目の的。
その出来すぎた姉弟に挟まれた私は見た目も地味なブルネットの髪に茶色の目で名前までアン、2文字のアン。せめて綴りの最後にeをつけて欲しかったわ。成績もまあまあ普通、マナーも立ち振舞いもそれなりに普通、特技は空気になること、気配を消すこと。多くの事柄を周りの意見を汲んでやり過ごしている。そんな私の婚約者は私の姉に恋している。そして、その恋心を心に秘めて今日も護衛兼側近として王太子の後ろに侍っている。私との交流は蔑ろにしつつ、姉との縁を得難い為に私との婚約は続けていくつもりなのだろう。彼の気持ちを知っていることを隠して、今日も私は少し困ったような微笑を彼に向けている、たった2杯のお茶を飲む為だけのお茶会という名の交流会。彼が席をたったその時に、空から落ちてきたリンゴが私の頭に当た
ったことで、私の別人格が現れた。我慢、何それ?なぜわたくしだけが我慢をしなければいけないの?新生アンの婚約破棄の物語。