あらすじ
【聖女】とは。
通常の回復魔法を超越した、超再生の治癒魔法の使い手のこと。
王国の長い歴史の中では、聖女を巡った争い──囲い込みや誘拐、脅迫、詐欺、果ては戦争まで──が幾度となく起こってきた。
そうした問題から「聖女」と「国民」の双方を守るために定められた制度が《聖女保護法》。
〈聖女の能力が発現した場合、速やかに王国に申告しなければならない。
聖女の能力を意図的に隠し、私的な能力利用をしていた場合は懲役刑に課される。〉
クゼーレ王国暦654年の現在、王国に認定されている現役の聖女は9人。
そしてその中に一人だけ、《聖女保護法》を破った服役中の聖女がいる。
彼女の名は【ユキア】。
またの名を【駆け落ち聖女】。
二百年振りに現れた「死者蘇生」すらも可能にする特級聖女。
現役の聖女で最も強力な治癒魔法の使い手にして──その自身の能力を隠し、恋人と《駆け落ち》を試みた愚かな聖女。
彼女に課された罰は、懲役10年。
私【ミカ・テンシー】は今年度、新人の魔法管理官として、例の服役中の【駆け落ち聖女】様の監視の役目を仰せつかったのだった。
◇◇◇◇◇◇
当たり前の世界を求めて罪を犯した少女と少年のお話。