あらすじ
鍛冶屋の三男坊として生まれた鉄之助(てつのすけ)は、小柄で力もなく、兄たちと比べればどうにも冴えない少年だった。
だけど彼には――火床に向かう真っ直ぐな心と、鉄を愛する眼差しがあった。
父の手伝いをしていたある日、戦場での悲劇が鉄之助の運命を変える。
父を失い、拾ったのは一振りの刀。そこに宿っていたのは、名工・光忠(みつただ)の魂だった!?
刀から声が聞こえるようになった鉄之助は、導かれるように鍛冶の腕を磨いていく。
さらに、渡り歩く巫女の椿(つばき)との出会いで「刀は武器だけじゃない」という新たな視点を知り、少年の胸に火がつく。
やがて現れるのは、世にうつけと呼ばれた若き日の織田信長(おだ のぶなが)。
乱世の戦の陰には、いつも鉄之助の打った刃があった――。
これは、平凡な鍛冶屋の三男が名工の魂と共に歩み、戦国を駆け抜け、やがて国宝となる刀を打ち上げるまでの物語である。