あらすじ

高校二年の夏休み。補習後に屋上で昼寝をしていた田村翼の前に、雲から制服姿の少女が降りてきた。名は雲井空美。彼女は「雲の中で暮らしていた」と告げ、自分の“お仕事”は「田村翼のスカイクラウド・レプリカ、つまり彼の空になること」だという。  奇妙な言葉に困惑する翼だが、空美は真剣で、やがて彼女は翼の家に住み始め、家族や教師からも自然に受け入れられていく。空美は雲の管理センターから派遣された存在で、空や天気を司る世界の住人だった。重力や人間社会に不慣れながらも、翼と共に学校生活を始めるうちに次第に「普通の女子高生」らしくなっていく。  その一方で、彼女の能力──手のひらに雲を生み出す力や雲と心を通わせる力──は徐々に弱まっていった。人間らしくなることは、雲の住人としての本質を失うことを意味していた。やがて「任務完了」を告げに現れた雲の管理者は、空美が翼の心を軽やかにし、彼の「空」となったことを宣言する。本来なら空に帰還すべきところだが、空美は涙ながらに翼の傍に残ることを望み、人間として生きる道を選ぶ。  力を放棄し、銀髪も蒼い瞳も失って普通の少女となった空美。しかし翼にとっては、その変化さえかけがえのないものだった。二人は恋人となり、共に勉強し、未来を目指す。やがて大学受験を乗り越え、お互いが互いの「空」となり合う関係に気づく。心を自由にし、軽やかにする存在――それが彼らにとってのスカイクラウド・レプリカの本当の意味だった。  時は流れ、結婚し子を授かった二人。空美はもう空には帰れないが、家族の愛に包まれながら「空から来た母」として生きていた。窓の外に浮かぶ雲は、今なお彼女を見守る故郷からの「幸せでいてね」という祝福。その下で翼と空美は、人間としての愛と人生を共に紡いでいく。

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エブリスタ
エブリスタ2025/09/27
  • 現在の作品スカイクラウド・レプリカ