あらすじ
宇宙が若かった頃、分子雲の奥深くで二つの魂が生まれた。青白い光のアリオンと、暖かな赤みのセレーナ。生まれた瞬間に恋に落ちた二人は、永遠の愛の舞踏を始める。
しかし宇宙の古い恒星たちは冷笑した。
「愛など幻想だ」「愚かな恋ごっこ」だと。
数億年が流れ、二人の軌道を巡る惑星に文明が興る。戦争と平和、創造と破壊を繰り返す知的生命体たちを見守りながら、恒星たちは愛の本質を学んでいく。「不完全だからこそ美しい」「支え合うとは、ただそばにいること」――。
やがてアリオンに老化の兆しが現れる。大質量星の宿命である超新星爆発が近づいていた。セレーナは一人になる恐怖に震えるが、アリオンは静かに微笑む。「愛は形を変えるだけだ」
愛を否定していた冷たい星々さえも涙する、宇宙史上最も美しい別れと再生の物語。愛とは何か、生きるとは何か、死ぬとは何かを問いかける――。