あらすじ

高校二年の夏休み、田中哲也は祖母の家の屋根裏で「メモリ・クラウド・アーカイブ」という祖父の発明品を見つける。起動すると、空中に浮かぶ羊雲の中に祖母の姉・羊雲みつきの映像が現れ、彼女の記憶や意識が保存されていることがわかる。  みつきは1943年に17歳で亡くなったが、メモリ・クラウド・システムで雲の形でデジタル保存されていた。二人は世代や血縁に隔たりがありながらも、同世代の友人のように心を通わせていく。装置の進化により、みつきの存在感は増し、ついには街を覆う雲の集合体として姿を変え、干ばつや猛暑を和らげる奇跡の力を発揮する。しかし個人的なつながりは薄れ、触れ合えることを願うも叶わなかった。  哲也は気象学を学び、みつきとの交流を続けながら研究者となる。やがて歳を重ねる哲也と変わらぬ17歳のままのみつきは、異なる時間の流れに苦しみながらも、その存在が街の幸福を見守るものとなる。彼女の記憶混乱を整理しながら、二人は深い愛情を育み続ける。年月を経て、哲也は定年を迎え、みつきの存在はより安定する。二十年の時を超えても変わらぬ愛を誓い合い、雲の彼方でその物語は静かに続いていく。

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エブリスタ
エブリスタ2025/09/27
  • 現在の作品羊雲メモリの向こう側