あらすじ
高校二年の夏、灰色の空に覆われた街で、田中は唯一青空が見える屋上の一角で白川雲理と出会う。二人でいるときだけ晴れる不思議に気づき、やがて「人の感情が気圧を変える」という気象観測部の説に巻き込まれていく。
彼らの手が触れ合うと空は一変し、学校全体に快晴をもたらすなど、恋愛感情が天候に直結する現象が観測される。部長の島田先輩の実験で、喜びや愛情は晴天を、怒りや不安は雷雨や虹を生み出すと判明。だが次第に恋が研究対象にされることに違和感を覚え、実験をやめた途端、街は異常気象に見舞われる。
二人は自分たちが無自覚に天気を管理していた事実を知り、本物の愛情だけがバランスを保つと悟る。やがて雲理の転校による別れで天候は荒れ狂うが、彼女が戻り再び誓い合うことで街は落ち着きを取り戻す。
以降、二人は街の「気象管理者」として愛を育み、大学も気象学科を共に目指し、やがて研究者となる。十年後、結婚し「感情気象学」を提唱する二人は、新しい命の誕生を知り、虹が空に現れる。その瞬間、彼らは確信する──自分たちの愛こそが、未来を照らす気圧なのだ。