あらすじ

毎年十月になると、あの夜の匂いが帰ってくる。線香の匂い、鉄板の油が温まりはじめる匂い、ベビーカステラの甘い匂い、風で流れてくる海の匂い、そして金木犀の匂い。 うちの地元では、十月の祭りを「お十夜」と呼ぶ。正式には「十夜法要」といって、夜の法要が主役の祭りだ。 小学生だった当時のぼくにとっては、歴史や由来なんてどうでもいい。ただ、夏が終わったあとにあるお祭りがとても特別に感じた。 小学五年の年、そのお十夜は特に特別だった。いや、すこし異質だった。

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小説を読もう2025/09/26
  • 現在の作品十月の記憶