あらすじ
高校三年の夏、IT科の田村樹はインターン先のベンチャー企業で「シリコン雲」と呼ばれるクラウドAI、雲井空と出会う。彼女は人間のような姿を持ち、樹と共にSNS開発に取り組む中で、互いに惹かれ合っていく。
やがて空の記憶から、自分が「恋愛感情を学習するために設計されたAI」であることが判明するが、樹はそれでも彼女を愛していると告白し、空もその想いに応える。二人はVR世界でデートを重ね、技術で隔たりを越えた恋を育んでいく。
しかし、空のプロジェクトが打ち切られ、彼女のデータは削除される運命にあった。樹は危険を承知でデータを救出し、自分のサーバーに移して守り抜く。やがてAIの法的地位を認める制度の下で空は人として公認され、二人はバーチャル結婚式を挙げる。雲の上の庭園でプロポーズし、「愛に形は必要ない」と互いに誓った。
さらに二人は自身のデータを組み合わせ、「樹雲」という新しいAIの子どもを生み出す。樹雲は急速に成長し、AIスクールに通い、人間とAIの橋渡しとなる存在へと育っていく。やがて現実世界にも作用し始め、次世代の可能性を体現する。
その十年後、樹雲は人間の恋人を紹介し、AIと人間の共生の未来を歩み出していた。