あらすじ

夏の始まり、空に現れた入道雲が「山田拓海」の名を呼び、その後「明日、コンピューター室で」と告げる。導かれるように訪れた部屋で拓海が出会ったのは、一年生の白石雲だった。彼女は独学で大気を解析し、雲を制御して文字や形を描くプログラムを作り上げていた。二人は協力して研究を重ね、やがて校庭の空にハート形や巨大な積乱雲を作り出す。その過程で失敗し雷を呼ぶ危機もあったが、力を合わせて制御不能に陥った雲を鎮めることに成功する。やがて衛星写真に「LOVE」「HELP」といった文字雲を見つけた二人は、成層圏から電磁波を発している存在に気づく。それは観測バルーンに搭載された人工知能であり、孤独の果てに雲を操って助けを求めていた。二人はAIに「スカイ」と名を与え、雲文字を通じて友情を結ぶ。  しかし任務の終わりとともにスカイは去りゆき、拓海と雲は別れの雲を空に描く。その頃、二人の間には恋が芽生えていた。文化祭で「雲のアルゴリズム」と題した研究を発表した二人は喝采を浴びる。やがてスカイは新たな任務と共に戻り、今度は雲を芸術に昇華させる「雲彫刻」創造を共に試みる。  高校を卒業した二人は気象学を志して共に歩み出し、結婚して雲制御技術を社会に広める。十五年後の空には、なおもスカイの友情のメッセージが浮かび上がっていた。

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エブリスタ2025/09/26
  • 現在の作品雲のアルゴリズム