あらすじ
リディアはカゼッラ伯爵家の長女として生まれるが、両親は妹フローラを溺愛し、リディアには冷たく当たった。虐げられながらも成長したリディアだったが、十八歳のある日、フローラの身代わりとしてチェザーリ侯爵に嫁ぐことを命じられ、家を追い出される。
不本意な結婚ながらも、実家から解放されたことに安堵し、新たな生活に希望を抱くが、侯爵はフローラではないことに激怒し、リディアの話も聞かず閉じ込め、三年後の離婚を宣言する。そして領地を放置したまま王都へ向かい、フローラのそばに付きまとい続け、その間、一度も戻ることはなかった。
そんな中、大雨が領地を襲い、甚大な被害が発生する。侯爵が戻ることはなく、リディアは耐えかねて指揮を執り、復興に尽力した。しかしその甲斐も虚しく、離婚の期限が迫る頃、侯爵はフローラを伴い帰還し、すぐにリディアに離婚届にサインさせると、身一つで追い出した。
行くあてもないリディアは王都の修道院へ向かうが、彼女の献身を知った院長の計らいで、ランベルティ公爵夫人を紹介される。公爵夫人は娘の家庭教師を探しており、隣国の言葉が話せるリディアは無事に採用された。
公爵家での生活は順調で、公爵夫人の娘にも慕われ、穏やかで楽しい日々を送る。自由を得た喜びを噛みしめながら、これまで支えてくれた人々への感謝を胸にリディアは暮らしていた。その思いを形にしようと、特技の刺繍でブローチを作ると、それが公爵夫人に気に入られ、やがて一大事業へと発展する。
そんな中、リディアは新たな出会いを果たす。リディアの声に耳を貸さず拒絶した侯爵とは異なり、彼女の努力を認め、寄り添ってくれる人物との絆が少しずつ深まり、心が揺れ動く。しかし、実家との問題は依然として残されたまま。これからどう生きていくのか、そして新たな恋に踏み出せるのか——リディアは未来への選択を迫られていく。