あらすじ
物語は、海辺の小さな村に暮らす青年、カイエルの孤独な日常から始まる。
カイエルは生まれつき海神の加護で「死なない」という特異な加護を持つ。
周囲からは「不死の奇跡」と畏怖されるが、彼自身はそれを「命の炎が尽きない」という、終わりの見えない呪いとして捉え、強い孤独を抱え生きていた。
ある夜、なんとか自死しようとしたが失敗。
そんなカイエルの前に、漆黒の死神が現れる。
それは魂の回収を司る死神の一人、アシュレイザル・ヴェルノワだった。
普通の人間は死神は見えないが、カイエルは真っ直ぐにアシュレイザルを見て声をかけた。
自分が見えているという事実にアシュレイザルは驚愕する。
カイエルの魂は海神の強大な加護により、回収できない魂という異常現象を起こしており、アシュレイザルは彼を刈り取ることができなかった。
この現象は死神界の秩序を乱す「禁忌」であった。
しかし、それ以上に衝撃的な事実がカイエルの口から語られる。
カイエルは無限の生命力を持っており、その生命力を他の死神が禁忌を犯し吸いにきているということが発覚する。
海神の加護のある者に死神が関与することは絶対に許されない。
これが明るみになれば海神界と死神界との争いに発展するだろう。
カイエルは自分を殺してくれる死神を望んでいた。
アシュレイザルはカイエルの件が上層部が関わっている可能性も考え、上層部に報告せず内密に調べることにした。
カイエルは呪いからの解放という唯一の希望にすがり、アシュレイザルと禁断の共犯関係を結ぶことを決意する。