あらすじ
時給2000円という破格の家庭教師バイト。教え子は、日本有数の大財閥の令嬢、一条院さんだった。
彼女は成績優秀だが、極度の世間知らず。俺は彼女のあまりの金銭感覚のズレに、眩暈がした。
「この限定スイーツ、一つ五千円ですのよ?」「ポイントカード? はしたないですわ」
そんなある日、彼女は俺が作る「1食100円の節約レシピ」に、なぜか強烈な興味を示した。
「藤宮さんの作るご飯、わたくしが今まで食べたどんな高級料理より美味しいですわ!」
それから俺の家庭教師は、勉強を教えるのではなく、『庶民の節約術』をレクチャーする時間に変わってしまった。
このレッスンのルールは一つ。「使っていいお金は、彼女自身の小遣いの範囲内のみ」。
スーパーでの値段交渉、手作り弁当の喜び。新しい世界を知るたびに、彼女の瞳は輝きを増していく。
そして、俺に向けるその眼差しは、いつしか尊敬から別の感情へと変わっていることに、俺はまだ気づかない。