あらすじ

生まれてすぐに、個としての尊厳を奪われた少年がいた。 暗澹とした地下帝国の最下層ーーー ゴミ溜めのようなスラム街の一角で彼は拾われた。 名前も与えられず、疑問を抱くこともなく、ただ機械のように過ごす毎日。 それだけが彼の生き残る唯一の術だったが故に。 だがある日、彼の世界は変化の刻を迎える。 地下帝国全体に響き渡る警報音、慌てふためく同僚たち、崩れる警備体制。 その時、彼の頭の中に稲妻が走った。 「今、逃げれば...?」 それは彼が抱いた最初の感情。 すなわちーーー自由への渇望 衝動に任せるままに、全てをかなぐり捨てて、少年は駆けた。 過去もしがらみも、何もかもを地下に置き去りにして、ようやく少年は地上へと辿り着く。 たどり着いたその先に広がっていたのは、「無限の未知」 雲を喰らう巨獣、空を旅する飛行国家、龍を生み出す霊地。科学と魔法が手を取り合った超次元の世界は、ありえないほどの未知で埋め尽くされていた。 少年は初めて命令抜きで言葉を紡ぐ。 「......知りたい」 それは願いではない、本能に近いなにか。 この瞬間から少年の物語は始まるーーー そして、少年は一歩を踏み出した。 小さく、けれど確かに―― 世界の理さえ、いつか揺るがす咆哮へと繋がる、最初の一歩を。

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カクヨム
カクヨム2025/09/24
  • 現在の作品彼方への咆哮・世界の果てへ希望を乗せて