あらすじ
東京で開催された「アステカ展」で展示されていた奇妙な仮面が盗まれる。
それは「シペ・トテックの仮面」と呼ばれる出土品で、人皮を剥ぎ取った神を象った恐るべき祭具だった。
同時期、SNSを中心に奇妙な噂が流れ始める。
> 「仮面を被った男に見られると、皮膚を剥がれて死ぬ」
「黒曜石の鏡に覗き込むと、次の犠牲者が映る」
「トラロックの像から流れる水は、必ず死を呼ぶ」
やがて都市伝説と呼ばれるそれは、現実の連続殺人とリンクしていく。
被害者の死体には皮膚が剥がされた痕があり、現場にはアステカ神話を模した暗号が残されていた。
大学院生で神話研究者の橘悠真は、調査に関わる中で次第に「五柱の神」を巡る壮大な仕掛けに巻き込まれていく。
黒曜石の鏡を操る「テスカトリポカの影」、羽蛇神を名乗るネットの教祖、雨神トラロックを信奉する謎の環境団体、そして黄泉の神ミクトランテクトリを崇拝する死者の儀式……。
都市伝説の拡散と同時に死者は増えていき、やがて事件は「現実の殺人」か「神々の再来」かの境界を曖昧にしていく。
すべての謎の鍵を握るのは「シペ・トテックの仮面」。
最後に明かされるのは、血塗られた人類学の闇と、ある人物が仕掛けた壮大な「復活の儀式」だった――。