あらすじ

梅雨入り前、佐伯悠斗は東京の外れにある古びたアパート「青柳荘」に越してきた。 家賃四万円という破格の条件に喜んだのも束の間、隣室・201号室から幼い子どもの声が壁越しに響きはじめる。 しかし管理人によれば、そこは一年以上も空き部屋のままだという。 夜ごと近づく囁きは、悠斗の名前を呼び、部屋の中の私物を次々と言い当てる。 やがて彼は、郵便受けに差出人「お父さん」と記された古いハガキを見つける――宛名は自分と同じ“佐伯”だった。 隣の部屋の子どもは誰なのか。 なぜ自分の名を知り、失われた家族の記憶を揺さぶるのか。 静かな廊下、埃を被ったドア、夜半のコンコンという音。 封じてきた過去が、少しずつ扉を開けていく。

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カクヨム
カクヨム2025/09/24
  • 現在の作品隣の部屋の子