あらすじ
ここは精霊が唄い、妖精が舞い、竜が空を飛ぶ幻想の世界。
この世界の魔術師は、精霊の力を操って奇跡を起こし、人間と妖魔を仲介する役割を持つ者だ。彼らには、支配するマスター、従うサーヴァントという属性があり、同性同士でも男女の恋人のような、特別な番の関係を結ぶ。
リュンクスは、一般人に近い家庭で育った魔術師の少年。魔術師の学園【塔】に入学してはじめて、マスターとサーヴァントという属性があることを知った。
田舎から出てきて右も左も分からないリュンクスは、上級生で有名な【霧氷の魔術師】ノクトにさらわれ、訳の分からないうちにサーヴァントにされてしまう。
普通なら落ち込むところだが、強気なリュンクスはノクトに対抗するため、同級生で一番強いカノンと交渉し、足りない知識を教えてもらうことにした。それだけではなく、ノクトが有名な上級生ということを逆手にとり、彼からも貪欲に学ぶ姿勢を見せる。
へこたれないリュンクスに、ノクトもカノンも心動かされ、三人は不思議な協力関係を築く。
しかし、上級生のノクトには、卒業の時が迫っていた。
ノクトは学園の外で行われる実践課題に、リュンクスを連れて行く。帰らずの森で魔物に襲われ、窮地に救われたリュンクスは、彼の真の優しさや強さを知る。そして、ノクトに惹かれていることを自覚した。
二人はやっと心通わせるが、ノクトは【塔】を卒業し帝国の宮廷魔術師になって一足先に社会に出ることを説明し、リュンクスに別れを告げる。
「君がもし私たちと同じ高位魔術師を目指すなら、必ずもう一度巡り合うだろう」
ノクトは、自分のいない学園生活を過ごすリュンクスが、心移りすると考えていた。青春時代のもっとも素晴らしい時間を、リュンクスはカノンと共に過ごすのだ。悔しくないと言ってしまえば嘘になる。
だが予想に反して、リュンクスはカノンと絆を深めながらも、ノクトとの遠距離恋愛を続けた。
そして時は過ぎ、五年後。
リュンクスは在学中に貴石級の資格を取るほどに、優秀な魔術師に成長していた。
約束の時を目前にしたある日、ノクトは仕事のため天空を浮遊する謎の島の調査に出かけ、行方不明になる。
ノクトを追ってリュンクスとカノンは天空の島に乗り込み、魔術師を敵視する天使たちと戦う。
強大な敵を前に協力しあううちに、三人は戦友のような、兄弟のような、不思議な関係を築いていく。天空の島に囚われていた、リュンクスの生き別れの母親を救出し、脅威をしりぞけた後、三人は未来について話し合う。
約束の答え合わせの結果―――三人で同じ国に行って仕事をすることが決まる。それは、どちらか一方を選ぶのではなく、三人で生きていく道だった。
三人でなら、どんな困難も乗り越えていける。一風変わった三角関係BLファンタジー。
※エブリスタ完結作品を、性描写抜きで読めるようにリメイクしました