あらすじ
ハイデニア王国――三つの大国と幾つもの小国に囲まれた、人口わずか八百万の弱小国。
その未来を託されるのは、王太子アウグスベルグ・ハイデニアJr.。
彼に与えられたのは、誰もが震え上がる「極」のスキル二つ。
《統治(極)》と《幸運(極)》――百万人に一人の奇跡を二つも持つ、まさに“未来の名君”。
……と、国中が信じている。
だが真実を知るのは、ごく僅か。
公表された《統治(極)》は虚飾であり、彼が本当に持っているのは――
《ハッタリ(極)》。
武芸も魔法もからっきし駄目。
けれど虚勢と口先だけで兵を奮い立たせ、民を安心させ、時に大国の使者すら煙に巻く。
嘘を吐いているのに、なぜか偶然と幸運が重なり、結果だけは「奇跡」に変わってしまう。
信じる民はますます熱狂し、侮る大国はますます牙を剥く。
――はたして王太子の“ハッタリ”は、国を救う切り札となるのか?
それとも、すべてを呑み込む笑い話で終わるのか?
虚勢が現実を凌駕する、嘘つき王太子の異色王道譚――開幕!