あらすじ

侯爵家エルディア家に生まれた双子、兄アランと妹セリーヌは、幼い頃から仲睦まじく育っていた。温厚な父・エルディア侯爵レオナルトと、気品に満ちた母・マリエンヌに守られ、未来は幸福に満ちているはずだった。
だが、ある夜、宿敵であるガルディア公爵家の当主ダリオと、結託したモルヴァン伯爵家の陰謀により、両親は毒杯によって命を奪われる。炎に包まれる館から、奇跡的に双子だけが救い出された。

孤児となった二人を引き取ったのは、父の旧友である味方側の公爵、リュシアン・ヴァロワ公爵だった。彼は自らの屋敷に双子を迎え入れ、「お前たちの未来はここで繋ぐのだ」と誓いを立てる。
兄アランは侯爵家を再興するために文武を学び、やがて若き当主として立つ決意を固める。一方、妹セリーヌは幼い頃から剣を握り、驚くべき才を示した。リュシアン公爵は彼女を男勝りの騎士へと鍛え上げ、その瞳は次第に鋼の輝きを帯びていった。

やがて青年へと成長したアランは、ヴァロワ公爵家の令嬢エリスに心惹かれていく。初めは義兄妹として互いを気遣う関係だったが、家の再興を背負うアランの強さと優しさに、エリスは胸を焦がしていった。アランもまた、彼女の無垢な笑みの中に失われた幸福を見出すようになる。しかし、エルディア家を滅ぼしたガルディア公爵家との因縁は、二人の恋に重苦しい影を落としていた。

一方、セリーヌは剣を手に戦場で頭角を現し、その凛々しい姿は周囲の騎士たちの尊敬を集める。そんな彼女の運命を変える出会いが訪れる。皇太子ジュリアンとの邂逅だった。民を思い、国の未来を憂う若き皇太子と、復讐の炎を胸に宿す女騎士。立場も使命も異なる二人は、いつしか互いに心を通わせていく。しかしセリーヌは、復讐を遂げぬ限り幸せを掴む資格はないと、自らに言い聞かせるのだった。

やがて双子は、真実にたどり着く。両親を死に追いやった黒幕が、ガルディア公爵ダリオとモルヴァン伯爵シルヴェストルであることを。炎に呑まれたあの夜の記憶は、復讐という名の刃となって二人を突き動かす。
「父と母の無念、必ず我らが果たす。」
アランの瞳には決意が宿り、セリーヌの剣は血の誓いを刻んだ。

しかし復讐の道は、愛する者との未来を犠牲にすることを意味していた。アランとエリスの想いは、果たして宿命を超えるのか。セリーヌとジュリアンの恋は、復讐の炎に呑まれるのか。
双子の絆と愛、そして血塗られた宿命が交錯する物語が、ここから幕を開ける――。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
アルファポリス
アルファポリス2025/09/23
  • 現在の作品赤い騎士