あらすじ
火雷城下町の夏祭りに現れたのは、一風変わった「契約屋台〈噬嗑堂〉」。
臨時法務係を任された青年・大河と、観光案内所で働く和花、商店会の若手・敦文、そして手順を何より重んじる知莉。四人が黒板と朱肉を携え、祭りの混乱や笑いを「契約」で調停していく。
「食べ放題の線引き」「元カレ禁句契約」「猫の肉球サイン」「雨天中止の不可抗力」「家に伝わる沈黙契約」……屋台通りで繰り広げられる小さな騒動は、すべて条項と“但し書き”の形で記録される。
はじめは失敗だらけで笑われていた契約屋台も、人々が「安心して笑える仕組み」として受け入れていく。
やがて和花は、自身を縛っていた「沈黙契約」と向き合い、声を上げる勇気を得る。
最後に訪れる本祭では、屋台と街全体を守る「包括契約」が結ばれ、祭りは大合意の雷鳴と笑いに包まれる。
失敗も混乱もユーモアに変える、“契約”コメディ。
但し書きの一枚が、人を救い、街を結び直していく。