あらすじ
主人公、吉三郎(きちさぶろう)は、毎晩のように見る不思議な夢に悩まされていた。時計台から眺める雲海、耳に残るししおどしの音、そしてなぜか無性に食べたくなるチョコレート。夢の断片を枕元のノートに書き留めることだけが、彼の日課だった。
ある雨の日、レコード店で流れる蓄音機の音色に導かれ、彼は一人の女性と出会う。まるで磁石のように惹かれ合う二人。彼女もまた、吉三郎と酷似した記憶の夢を見ていた。
水族館のペンギン、子供の頃に埋めたタイムカプセル、部屋の隅に置かれた望遠鏡――。二人が共有するキーワードが重なるたび、記憶の扉が少しずつ開かれていく。やがて、宇宙船、砂丘、そして夜空を横切る彗星のイメージが、二人の魂を揺さぶる。
それは、遥か彼方の銀河で交わされた、遠い昔の約束の記憶。
失われた過去を取り戻した吉三郎と彼女が、この地球(ほし)で見つける未来とは。
壮大な時空を超えて紡がれる、切なくも温かい運命のラブストーリー。