あらすじ
一条未春は、京都の老舗呉服店の一人息子として愛され育つが、15歳で発症した病により右顔面が腐り、化け物と疎まれる。父や女中からの冷遇と毒殺の企みに直面し、心を閉ざした未春は、父を毒で殺し家業を継ぐ。孤独と絶望に沈む中、葬儀で出会った神秘的な少女・響花火に心を奪われる。彼女もまた、鬼の血を継ぐ呪われた存在だった。互いの孤独と愛を分かち合い、死を望む二人は心中を決意するが、未春は花火に生きてほしいと願う。愛と罪、呪いの連鎖の中で、未春は自らの死を選び、花火に希望を託す。美しさと醜さ、愛と憎しみが交錯する、切ない幻想譚。