あらすじ
舞台は寂れたアーケードにある町中華「青空軒」。
自称ミステリー作家の「私」は、毎朝のようにカウンターに座り、店主の陳さんや出前担当の美咲、隣の古道具屋の翁と世間話をしていた。
ある朝、開店前に大事件が発覚する。
寸胴鍋に仕込んでいた秘伝スープが「薄い」のだ。水位は変わらず、だが色も香りも弱まっている。陳さんは「誰かがスープを盗み、代わりに水を足したに違いない」と青ざめる。
容疑者は店の関係者だけ。
スープを盗む手口は? 鍵は陳さんしか持っていない。防犯カメラは湯気で真っ白、換気扇は故障中。
さらに、床には“滑り止め粉”の筋と謎の足跡。製氷機は空。餃子の数が減り、油膜は不自然に切れていた。
「犯人はどうやって水位を戻したのか」
推理を進めるうちに、主人公は“湯切り”を使ったトリックに辿り着く。
そして容疑者の中から“ある人物”を名指しし、論理を積み上げて解決宣言を下す。
——だが、その直後。
事件の全貌は思わぬ方向へ転がり、主人公の推理はとんでもない形で裏切られる。
緊張感あふれるミステリーが、最後に待つ“衝撃の真相”によって、まったく予想外の幕引きを迎えるのだった。