あらすじ

れおちゃんは真っ青な顔をしている。まるで、幽霊でも見ているかのような目で、うちを見ている。 「れおちゃん、どうしたの」 「あたしにかまわないでよ!」  それは、ナイフのようなするどさをもった、悲鳴だった。れおちゃんの強く握りしめた手が、震えている。くちびるをかみしめ、肩で息をしていて、息のつまった声で、れおちゃんはうちをにらみつけた。 「最初から嫌われていれば、誰も寄ってこないでしょ」 「友達、ほしくないの?」 「いらない。あたしのそばには、誰もいてほしくない」  鼻で笑って、れおちゃんはガーデンテーブルにランドセルを下ろした。 「あんたって、何。学級委員よりも、タチがわるいね。平和主義者? それとも、偽善者?」  胸のあたりが、ぐさり、と痛む。すると、なぜか、れおちゃんのほうが傷ついた顔をした。だから、なんだか放っておけなくて、うちはれおちゃんに一歩近づいた。 「うちは、誰にも傷ついてほしくないだけ」 「ふうん。あんた自身は、誰も傷つけたことがないわけ」 「もちろん。誰かを傷つけたことなんてないよ。なんでそんなことを聞くの?」 「たいそうな善人よね。出家でもしたら」 「しゅっけ、って?」 「お坊さんになったら、っていってんの」  れおちゃんは庭のすみで山になっていた雑草の山を一掴みすると、うちに向かって投げつけてきた。  緑色の雑草が、雨のようにうちに降り注ぐ。青臭い草のにおいと、土のにおいを浴びながら、うちは後ろによろけた。 「善人はさ、あたしみたいな悪人と、いっしょにいないほうがいいよ」 イラスト:ノーコピーライトガールさま

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エブリスタ
エブリスタ2024/04/18
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