あらすじ
エテルナ大陸随一と謳われる名門『ルーンヴァルト魔法大学』。
その卒業生であり、十数年にわたり後進の指導に情熱を注いできた魔法工学の講師、バジル・アークライトは、ある日突然事実無根の悪評によって「無能」の烙印を押され、愛する教壇から追放される。
彼の追い落としを画策したのは、学内で急速に影響力を増す妖艶な新任講師アンブロシア。彼女の甘い毒は学院長たちを篭絡し、伝統ある学府を内側から静かに腐敗させていった。
全てを失い、失意の底にあったバジル。
そんな彼の前に現れたのは、数年前に卒業した聡明で心優しい元教え子、アイリスだった。
彼女の純粋な優しさに触れ、そして彼女が紹介してくれたコンテンツ制作会社『ルミナス・ビジョン』で働くうちに、バジルは魔道具への情熱と教育者としての誇りを少しずつ取り戻していく。
そして、大陸最高の栄誉である『マギクラフト・マイスター』の称号を得たことで、彼の才能が紛れもない本物であることも証明された。
しかし、その裏で母校を蝕む闇は、バジルが想像していたよりも遥かに深く根を張っていた。
アンブロシアの暗躍は、単なる学内の権力闘争ではなかった。
その背後には、大学、ひいては魔法学園都市ルーンヴァルトという国家にかかわる、巨大な陰謀の影が蠢いていたのだ…!
「先生のお力をお借りしたいのです」
母校の危機と、恩師に加えられた理不尽な仕打ちに心を痛めたアイリスは、ついにバジルに共闘を申し出る。
そして彼女が独自に進めていた内偵調査の存在を知り、バジルもまた、見えざる巨大な悪に立ち向かう決意を固める。
だが、アンブロシアの操る《認識阻害》の術は、手練れのスカウトたちでさえも翻弄する、あまりにも不可解で強力なものだった。
人間の感覚が通用しない絶望的な状況の中、バジルが最後の切り札として生み出した「新発明」――それは、彼の魔導技師としての全ての知識と技術、そして『マギクラフト・マイスター』としての矜持が込められた、アンブロシアの術を打ち破る唯一の可能性を秘めた未知の魔道具だった。
果たして、追放された天才魔導講師と、いくつもの秘密を抱えた元教え子は、学園を蝕む甘い毒と巨大な陰謀を打ち破り、真実を白日の下に晒すことができるのか?
理不尽に全てを奪われた男が、その才能と、ただ一つの揺るぎない絆を武器に、華麗なる逆転劇を繰り広げる!
師弟が紡ぐ正義と名誉回復の物語が、今、幕を開ける――。