あらすじ
野口町。海と山に囲まれたこの町で育った景司と崇は、少年期から深い友情で結ばれていた。景司は親孝行で人にやさしく、教科書のような人生を歩む。一方、崇は家庭に恵まれず、荒れた道を選び、やくざな生き方に身を投じる。互いに羨みながらも、ぶつかり、離れ、港の防波堤で再会する二人。 景司は町役場で人々のために尽くし、崇は裏社会の中で人情を貫く。定年を迎えた景司と、病に倒れた崇は、過去の選択と向き合いながら、子どもたちに「生き方の語り」を始める。 やがて崇は静かにこの世を去るが、彼の言葉と魂は景司に託され、町の若者たちへと受け継がれていく。 まっすぐな人生と、とがった人生、どちらが幸せだったのか。答えはない。ただ、友情だけが確かにそこにあった。