あらすじ
街の一角にある小さな事務所。そこにいる男は、ただの探偵ではない。彼は依頼人の「殺してやりたい」という底なしの憎悪に応える殺し屋――通称「半殺し屋」だ。その仕事は、ターゲットを抵抗できない半殺しの状態にし、最後のトドメは依頼人自身の手に委ねるというもの。自分の手で復讐を果たしたいと願う者にとって、これほど魅惑的なサービスは存在しないだろう。
半殺しの業務には決して破ってはならないルールがある。それは、「ターゲットの正体は、殺害を決行する直前まで依頼人には明かさない」ということ。このルールは、過去に依頼人がターゲットと親しい関係にあった際に起こった、数々の面倒な事態から生まれた苦い経験に基づいている。先日も、依頼人の女性が自身の恋人をターゲットと知って動揺し、トドメを刺せずに発狂。結局、殺し屋はターゲットと依頼人、両方の命を奪うことになったばかりだ。
そんな中、新たな依頼人が事務所のドアを叩く。現れたのは、元上司の裏切りによって人生のすべてを奪われ、その男への復讐のみを生きがいとする痩せた男だった。彼の中に燃え盛る復讐の炎は、果たして過去の依頼人とは異なる結末を迎えるのか? 殺し屋が用意 した復讐の舞台で、男は憎きターゲットにその手で裁きを下せるのか?
人の心の奥底に潜む闇と、復讐の果てに訪れる真実を描く、探偵兼殺し屋の物語。