あらすじ
薬師の名門に生まれたクララ・メドウズは、婚約者の貴族コービン・ランカスターに一族秘伝の調合法をすべて盗まれ、「薬草臭い」と蔑まれ婚約を破棄される。彼の策略で偽薬師の汚名を着せられ、王都を追放された彼女は、病に倒れた父を連れて、呪われた地と噂される北の辺境「スターリング領」へと流れ着いた。
そこで彼女を待っていたのは、よそ者を寄せ付けない無骨な領主リアン・スターリングと、厳しい自然、そして原因不明の奇病に苦しむ人々だった。
しかし、薬師としての知識と誇りを武器に、次々と人々を癒していくクララ。彼女のひたむきな姿は、氷のようだったリアンの心を次第に溶かし、二人の間には確かな信頼が芽生えていく。
そんなある日、王都から助けを求めてきた来訪者によって、コービンが献上した「聖薬」が、実は国を蝕む猛毒であることが判明する。愛する人々が暮らす穏やかな地を守るため、そして偽りの奇跡に終止符を打つため、クララはリアンと共に、忌まわしい過去が待つ王都へと戻る決意をする。