あらすじ
辺境の子爵家の三男アレン・アルフォードは、勝つよりも“守る”を先に量る癖で騎士学校を首席で卒業する。だが本人の意思に反して、五百年空席だった王族直近の役――“輔弼近衛(秤)”への抜擢が下る。
王都では、威を示したい王太子、制度を運転し直そうとする宰相、王族の側を守り抜く王妃、そして宮廷の思惑が交錯。アレンは「派手に勝たず、民を護る」選択を貫き、時に命令を外し、時に沈黙で示す。
国境の火種と宮廷の駆け引きが同時に揺れる中、彼は“言葉ではなく重さで示す理”を手に、剣と制度と人の間に新たな均衡を組み上げていく――凡人の歩幅で。