あらすじ
「――この世界には、まだ誰も描いていない海がある」
事故で命を落とした海洋学の青年・速水遼(はやみ・りょう)は、
目を覚ますと、青い風が吹く異世界《アルケディア》に転生していた。
彼が入学するのは、航海士と地図師を育てる王立地図院附属学園。
海と星の理を学ぶこの学都〈リスヴォア〉では、
「地図を描く」ことが国家の運命を左右する――そんな時代が始まろうとしていた。
前世の知識を断片的に思い出すリオ(転生後の名)は、
星の位置、潮の流れ、磁気の乱れなど、誰も知らぬ理論を感覚で理解してしまう。
だが、その“未知の理屈”は学園では“異端”と呼ばれ、
王国と帝国の陰謀を呼び寄せていく。
理論学科の少女アリア、機工科の発明家ミレナ、
寡黙な元軍人教官カイ――
それぞれの理想と過去を抱えた仲間たちとともに、
リオは「この世界を描き直す」ための航海を決意する。
地図はまだ、白紙のまま。
風が吹くたび、少年の胸に“前世の波音”が蘇る。
――学都リスヴォアより、異世界最大の大航海が始まる。