あらすじ
「なら、あなたは“信じる”ということを、何をもってして証するのですか」
かつて、大陸には竜と人がいた。
大気を統べ、天候を支配する天空の覇者――竜。
竜の声を聴き、竜と契約し、対話する〈竜の民〉。
そんな二つの種族が暮らす、平和な理想郷があった。
“あった”。すなわち、過去形。つまり、今はない。
竜が大陸から姿を消してから幾星霜。
〈竜の民〉は、居場所を失うように大陸の隅に隠れ住むようになった。
そんなある日、〈竜の民〉であるトーリは旅に出る。
お目付け役である、謎の少女フリアと、その友だちである謎の生き物クィーと一緒に。
それは、幼き日に抱いた、竜と再び契約を結ぶ夢を叶えるために。
「それでも、約束を結び直せるっておれは信じてる」
だからこれは、竜と約束を結び直す物語。
あるいは、まるでつまらないおとぎ話の続きの物語。
――伝説は終わった。さあ、現実を始めよう。
*
「トーリ君の願いは叶わない」
「くぅきゅ?」
「意味なんて、もうどこにもないんです――!」
「虐げられた者に、道徳を望むというのは高慢ってもんなんだぜ?」
* * * *
【お知らせ】
・15万文字完結予定。