あらすじ
それは、なんの前触れもない日だった。
高校二年生の白雪美羽は、いつも通り学校からの帰り道、横断歩道でトラックに轢かれ──気づくと真っ白な空間に立っていた。
「ここ……どこ?」
「やっほ〜! ようこそ転生待合室へ〜!」
頭上から聞こえた声。見上げると、光の羽を持つゆるふわ系の女性がふわふわと浮かんでいた。
「天使……ですか?」
「女神だよ〜! 私、ルシフェリアって言いま〜す!」
突然の自己紹介に、美羽は呆然とする。女神はぱちんと指を鳴らし、戦乱に苦しむ異世界「アルメリア」の映像を見せた。
「この世界、癒し手が足りなくてピンチなの。美羽ちゃん、“癒す”の得意でしょ?」
「え、私が……?」
「うん! あなたの優しさは特別。だから“最強のヒーラー”になってほしいの!」
ルシフェリアは満面の笑みで宣言し、「どんな傷も治せるチート加護」を与えると言い出す。まるでゲームの課金特典みたいなノリに、美羽は思わず苦笑した。
「でも、私にそんな大役が……」
「大丈夫! あなたならできる。信じてるよ」
女神の手が美羽の胸に触れ、温かな光が広がる。
「転生先は小さな村! のんびり始めてね〜!」
「え、ちょ、待って──!」
光が一気に弾け、美羽の身体は転送される。
次に目を開けたとき、そこは青い空と緑の草原。遠くに小さな村の煙が見える。
「……本当に、異世界に来ちゃった……」
胸に宿る新しい力を感じ、美羽は小さく息を吸った。
──チート女神に愛された少女の、癒しの物語がここから始まる。