あらすじ
親友を守れなかった過去を持つ女子高生の縁遠結衣(えんどお ゆい)は、ある日、格闘技のジムからの帰りに飲食店へ寄ったとき、突如として異世界へと転移されてしまう。
異世界は、日本での暮らしも幸せばかりではないとはいえ、大半の日本人にとっては……否、世界のどの国のどんな職の者にとっては、あまりにも過酷なものだった。
生きていく中で、当たり前のように、人が殺される。
人を殺して食う異世界の獣が、都市の外壁から出れば当たり前のように生息している。
かといって、都市の中でも、人が人を平然と殺しもする。
人権侵害は当たり前。性的搾取も当たり前。かといって、それらにあらがうものたちもいて、あらがうために、是正するために、結局のところ殺し合いが起きて、大勢が死んでしまう。
異世界とは、そういった場所だった。
しかも、異世界には【邪獣】と呼ばれる、あまりに凶悪な、あまりに圧倒的な強き種がいた。
その邪な獣は、他種族を食い荒らし、世界を、星を犯すために、各地で苛烈な戦いを仕掛けていた。
人類をはじめとした邪以外の種族は、協調して戦線を築いて、なんとか猛攻をしのいでいた。
しかし、人類をはじめとした種族は、決して一枚岩ではない。
人が人を、己の欲のために利用し、奴隷とし、殺しもするのだ。握手ばかりしているわけがなかった。
そんな狂乱の世界に降り立った格闘技女子の結衣は、食い物にされていく弱い者たちと、そうした弱い者たちをなんとか守ろうとする者たちと出会い、過去に向き合い、覚悟を決める。
親友を守れず、死なせてしまった過去。
親友が言ってくれた「ユイちゃんは憧れのヒーローだよ!」という言葉。
それらに向き合い、戦っていく覚悟を決めるのだ。
この物語は、誰かを守れる人間に憧れた女子高生が、一度は守れずに挫け、「どうせ世の中、利己的なヤツがイイ思いをするんだ……」と諦観していたけれど、異世界でまた「誰かのために戦ってこそ人間だ
!」と戦っていく物語……。