あらすじ

夜の帳が降りる頃、 古都・朱雀(すざく)の街は 静寂に包まれていた。 風が渡るたび、どこからともなく 鈴の音が響く。 それはまるで、遥か昔に交わされた “誓い”を呼び覚ますようだった。 千年の時を越えても、 この地には“陰と陽”が息づいている。 表の光に寄り添うように、 闇が存在し──人の心の隙間に潜み、 時を待つ。 その夜、少年は夢を見た。 燃え上がる社、崩れ落ちる楼門、 泣き叫ぶ誰かの声。 そして、白い衣の少女が月の下で微笑む。 彼女の瞳は、夜よりも深く、 炎よりも儚い光を宿していた。 「――また、会えるよね?」 声が消える瞬間、眩い光が世界を呑み込んだ。 目覚めたとき、彼の掌には一枚の 御札が残されていた。 墨のような黒い符に刻まれた名は── 『藤咲 天音』。 それがすべての始まりだった。 陰と陽、命と死、過去と現在。 すべてが交わる運命の糸は、 いま再び月下で絡み合う。 これは、ひとりの陰陽師と、 幼なじみの少女が歩んだ、 “魂を賭けた恋の記憶”の物語。

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エブリスタ
エブリスタ2025/10/14
  • 現在の作品月下月譚─陰陽師と封じられし魂─