あらすじ
ええ~、炎上炎上と、昨今よく耳にいたしますが、いやはや炎上というのは実に恐ろしいものでございましてね。いったん火がついて燃え広がってしまったが最後、もう焼き尽くすまで止まらないものでございます。
ああ、火事の話でございますよ。消防車も消火器もなかった昔は、ひとたび家に火がつけば、皆で必死にバケツリレーで水をかけるか、さもなくば、よそ様の家に燃え移る前に打ち壊すしかなかった。
ですから、放火などというのは言語道断。即刻、死刑打ち首獄門でございます。……となると、ネットの放火にも、それなりの罰があってしかるべきなのかもしれませんねえ。
むかしむかし、八百屋を営んでいた安五郎という男がいた。
ある日のこと、いつものように野菜を店先に並べていると、入口のほうから声がかかった。
「ごめんくださいませ」