あらすじ
聖なる力を持つ「聖子」でありながら、神殿で「役立ず」と蔑まれる日々を送るユン。
彼の力は、治癒や浄化といった華々しいものではなく、ただ「魔力を込めた特別な糸を紡ぐ」ことだけだった。
孤独と息苦しさに耐えきれず神殿を飛び出した夜、ユンは森で深手を負った一匹の大きな銀狼と出会う。
憐れみから無意識に紡いだ糸で傷を縫い合わせると、狼は屈強な獣人の青年・ガロウの姿に変わった。
「お前は、俺の番だ」
狼獣人族の次期族長であるガロウは、ユンを「運命の番」だと言い、有無を言わさず攫っていく。
不器用で口下手だけれど、真っ直ぐな愛情を注いでくれるガロウ。
そして、役立たずとされていたユンの糸が、獣人の国では伝説の至宝であることが判明し――。
孤独だった聖子が、一途な獣人との出会いを経て、自らの価値と真実の愛を見つけていく。
心温まる異世界BLファンタジー。
【登場人物紹介】
◆ユン
物語の主人公。聖なる力を持つ「聖子」だが、紡ぐ糸の能力しか持たないため「役立たず」として神殿で蔑まれている。心優しく、自己評価が低いが、芯は強い。亜麻色の髪と穏やかな翠の瞳を持つ。
◆ガロウ
狼獣人族の次期族長。銀の毛並みを持つ美しい狼の姿と、黒髪に鋭い金色の瞳を持つ屈強な青年の姿を持つ。口下手で不器用だが、情が深く一途。ユンを「運命の番」として深く愛する。
◆神殿の長老
ユンの力を知りながら「役立たず」と偽り、その力を独占しようと企む本作の黒幕。穏やかな外面の裏に、底知れない野望を隠している。
◆ブルク
ガロウの側近である熊獣人。陽気で豪快な性格。体は大きいが気は優しく、二人の関係を温かく見守る兄貴分。
◆リリィ
獣人の国でユンの世話係をすることになる兎獣人。優しく面倒見が良く、戸惑うユンの心の支えとなる。
◆ギデオン
神殿騎士団の団長。長老の命に忠実で、ユンの奪還任務を率いる。騎士としての誇りと、命令との間で葛藤することになる。