あらすじ
テーマ:トー横問題/孤独と相談/現代社会の闇
この物語の根底には、「相談できない」という現実があります。
SNSがあって、どこでも“つながっている”はずなのに、
本当に誰かに助けを求めることは、どんどん難しくなっている。
トー横と呼ばれる場所には、
家にも学校にも居場所がない子たちが、夜の街で小さな笑顔を作っています。
誰かに必要とされたくて、誰かに見てほしくて、
それでも何かを失い続けていく。
パパ活、リスカ、カプセルホテル、そして“相談アカ”。
そこには、ニュースで切り取られない「本当の痛み」があります。
誰もが「やめなさい」と言うけれど、
誰も「どうすればいいか」は教えてくれない。
——この作品は、そんな「見えない声」を書きたくて生まれました。
ホラーの形を借りていますが、
本当に怖いのは幽霊ではなく、誰にも気づかれずに消えていく心です。
夢の中で回るメリーゴーランドは、
“戻れない場所”を象徴しています。
笑っていたあの頃、普通の朝、普通の放課後——
もう二度と同じ形では帰ってこない時間。
この作品を読んで、
誰かひとりでも「相談することを諦めないで」と思ってくれたら、
それだけで十分です。
作中の「過去編」で描かれている出来事や会話の多くは、
実際に起きたことをもとにしています。
登場する人物たちは仮名であり、状況や細部には一部脚色を加えていますが、
根幹となるエピソードは、すべて実在の出来事から生まれました。
街の片隅で誰にも気づかれずに泣いていた子。
夜の駅前で「もう家に帰れない」と呟いた声。
パパ活の待ち合わせ場所で“帰る理由”を探していた少女。
——それらは、物語ではなく現実にあった「声」です。
私はその声を“創作”という形で残すことで、
一度でも、誰かが「見てくれた」と思えるようにしたかった。
過去編は、ただの設定や背景ではありません。
そこには「現実をどう受け止めるか」という問いがあります。
そしてこの作品全体は、その問いに対する私なりの答えです。