あらすじ

退魔師としての手を折り畳み、俺は普通の暮らしに戻るはずだった。 安い家賃、薄い壁、風呂なし。 家鍵だけが頼りの狭い部屋で、入学式を待つ。 だが隣人は“普通”ではない。 白い髪、白い肌、太陽みたいに笑う吸血鬼――黛ヴァニラ。 彼女の合図は“ピンポン”。 求められるのは血の饗宴ではなく、日常の細々した用事と、指先“一滴”の借り血。 やがてアパートに“無音の来訪者”が現れ、学校では彼女を誰も見ない。 認識が撚れて、視線が滑る。 俺の封じた術はまだ生きていて、家訓「焦るな。悟られるな。やり過ごせ」が胸の裏で光る。 それでも、黛さんは言わない。「護って」と。 だから俺が決める。 祈らない。 ただ、合鍵の範囲で護る。 退魔札より家鍵が効く夜。 平穏は壊れるものじゃない。 隣人と分け合って、形を変えて更新していくものだ。 都会怪異×隣人ラブコメ。 合図は“ピンポン”。 血は少しだけ、生活はたっぷり。

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カクヨム
カクヨム2021/01/19
  • 現在の作品退魔師を引退した俺、平穏を望むも隣人の黛さん(吸血鬼)が毎晩ピンポンしてくる件