あらすじ

昭和六十三年、終わりゆく昭和と共に、あるテレビ番組が一度だけ放送された。 タイトルは『地獄で会いましょう』。 出演者は、見たこともない新人アイドル。 その歌は神がかり的で、放送を観た人の多くが“心臓が一瞬止まった”という。 だが翌日から、番組の存在は跡形もなく消えた——。 時は流れ、令和。 オカルト雑誌〈月刊ネクロム〉のライター・中野千吉は、この番組を追って奔走していた。 ようやく見つけたのは、当時の制作に関わったという元テレビマン・韮山秀樹。 彼の口から語られるのは、昭和末期の芸能界の珍騒動だった。 倒産寸前の弱小プロダクション「光映プロ」が、 「地獄でもいい、うちの事務所から奇跡のアイドルを出せ!」という社長の無茶ぶりにより、 本当に“地獄へスカウト”に行ってしまう。 書類をなくす事務員、意味不明な神主プロデューサー、そして何より地獄の関係者たちの手続きが遅い。 昭和のバブル景気と地獄の官僚主義が混ざり合って、現場は大混乱。 「奇跡のデビュー」は果たして夢か悪夢か—— いや、ただのバラエティだったのかもしれない。

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カクヨム
カクヨム2025/10/13
  • 現在の作品地獄で会いましょう