あらすじ
その長い前髪から覗く二つの黒目は、俺と同じものを捉えて離さない。
大学の校門前で知り合った東は女からモテる。
それなのに年齢=彼女いない歴のこいつが時々奇妙に思えた。
蛇に似た小さな黒目が目の下の淵から離れている。
それがとても鋭く、真顔で見つめられると息を止めてしまう。
蛙の気持ちだ。蛇に睨まれた蛙。
蛇は東、蛙は俺。
そんな蛇に似た東には誕生日の違う双子の姉がいた。
どうやらお互いの両親が連れ子同士の再婚で、一人っ子だった東に誕生日の違う同級生の姉が出来たらしい。
だから誕生日が違う双子なんだ俺達は、と東から聞かされた。
「紹介するよ。姉の椿」
ある日東が姉の椿を紹介してきた。
噂に聞いていた東の誕生日が違う双子の姉である椿はーーー綺麗だった。
一目惚れだった。だが、俺に椿は高嶺の花だった。
そう思い諦めていた。でも、
「好き」
椿に告白された。夢にも思わなかった。
まさか初めての彼女がこんなに綺麗な子なんて、想像もしていなかった。
東は「よっ!義兄貴さん!」なんて茶化しながら俺達を祝福してくれていたーーーって、勘違いしていた。