あらすじ
静まり返る夕暮れの教室を後にした藍は、ひとり、妹・美緒とよく歩いた帰り道を辿っていた。
通学路に流れる川のせせらぎ、揺れる柳の葉、踏みしめるたびに鳴るアスファルトの音――
そのすべてが、過去の記憶を呼び覚ます。
ふと立ち寄った公園には、美緒が最後に残したメッセージが刻まれていた。
「また、一緒に空を見ようね。」
その言葉に導かれるように、藍は空を見上げる。
沈みかけた太陽と藍色の空が、かつての約束をやさしく照らしていた。
胸の奥に広がる痛みと懐かしさの中で、藍は“失った時間”の意味を少しずつ理解していく――。